あとがき帳

日々にあとがきをつけたい 同人活動諸々の日記

「世界点」

 四季が事故で死んでしまって幽霊となり、そんな四季のことが見えるのが旬だけで、なんやかんやあって、2人で四季の成仏のため未練を探す話。

 

 完売しました!ありがとうございます。そんなわけで、解説のような長いあとがきのようなものです。

 

 そもそもプロットは普通にあげた小説だったということ、本出す前にTwitterなどで連載という形であげたりWeb再録したりと何度も全文読める形にしていたものの、こうやって手元から全てなくなったのは感慨深いというか(?)すごく嬉しいです。

 

 周りからも「夕寝の出した中で一番好きな本」と言っていただけることも多かったなあ!もちろんそれを更新できるよう頑張りますが、すごく嬉しかったです。

 

 さて、ここからいただいた感想なども織り交ぜて色々話をします。(全部ではありませんがちょこちょこ抜粋させて頂きました。感想は【】でかこんでおきました)持っている方はぜひ実際に本を、持ってないけど読んだよという方はなんとなく思い出しつつ見てもらえると嬉しいです。この記事を読んでいる方は「世界点」の内容を知っているという前提でネタバレなんかもバンバンします。表紙はじめ装丁の話は最後に。それではしばしお付き合い下さい🌟

 


 この「オレは伊瀬谷四季、16歳」っていう始まり方、どうかと思ったんですけど、それ以外の始まり方が思いつきませんでした。南無三。

 

 目が覚めたらいつもの通学路にいたそうなんですが、これは「事故に遭った場所で幽霊として目覚める」という裏設定がありました。地縛霊ではないんですが、なんとなくどこで気がつくのかって思ったら死んだ場所かなと思った。物を持っていないのは、遺品として家族が持ち帰ったからでした。スマホは無事だったんだろう…きっと…(?)

 

 普通に帰ってきて家に入ったつもりだったのですが、よく考えたら持ち物ないんだから鍵持ってないですよね。ポケットに入っていたのかもしれないな。そういうことにしてもらおう。

 

 家の中での行動は、四季はとりあえず行動派だと思ったので色々やってもらいました。このあたりメタ的なことを言うと幽霊条件の線引きというか……『物に触れるし作用するけど見えない』とかそういった条件の提示の意味もあります。いっぺんに出すと混乱するので条件は少しずつ追加する感じで進みます。メタい。

 

 あと行くところは部室かな?って言ってるんですが、四季は事務所とかよりも先に部室が出てくる男だと思います。自分の居場所だと強く思っているところは部室だと思っている。

 

 日にちを突然言っているのは、おまけへの布石です。ここ書くのめちゃくちゃ緊張した記憶あるな!!!突然じゃないかこれ…?てなった記憶あります。

 

 旬がここで一人で掃除をしているのは『気持ちの整理をつけるため』です。この時四季は記憶がないので「ナツキっちといないなんて珍しいな~」くらいの感想を抱いています。

 

 旬は幽霊!とかではなく、夢か…?と思っています。お化けなんていないと言いつつ割とびっくり系とか実際に心霊体験とかしたら結構ビビると思ってるのですが、ここは単純に驚いているという解釈。びっくりしてる顔は、旬からしたら死んだはずの恋人が戻ってきた驚きなんですけど、四季からしたら死んだはずのメンバーが戻ってきた 驚きです。重さが違う。

 

 とりあえず報告する旬。隼人の「旬がすごくつらいのはわかるけど…」は最後にあった人だと知ってる故の発言です。

 

 ハイジョの活動云々は、私Pだったらいったんこういう措置をとるなと思ったのと、タイムリミットを決めるためでもありました。

 

 状況整理のターン。葬式後なので、火葬済みです。このあたりはわりと常識的な聞き方というか、ちょっと聞きにくそうな感じで聞くかなというあれそれ。そして条件追加。「メッセージが発信できない」という条件です。【葬式とかきっちり済ませてるのがリアルで良いなと思った】という感想をいただきました。ありがとう、これは実はめっちゃ調べたところなんだ……スケジュールとか調べまくって計算したとこなので、あの時の自分が報われました。

 

 私はこういう……作中の幽霊が何できるのかとか、どう過ごしているのかみたいな細かいところが気になってしまう人間なので、2人にも決めてもらいました。旬もルール決めると思います。

 

 旬四季の本です!って言って出しているので今更なのですが、実は終盤まで四季に明確に「旬が好き」とは言わせないようにしています。顔が赤くなったりドキドキしているのが伝わらなくてよかったようなと思っているのは、自分が旬のことが好きだと伝えていることを知らないから。いつも通りに……と四季が思っているからです。

 

 さらっとおまけの話をしました。さらっとすぎて、おまけで出てきたときにハ?となるのでは……と思っていたのですが、読んで日記について感想くれた人はみんな「これは!!!!」となってくれたみたいなので、みんなすごい。ほんとこのさらっと書いたものをよく覚えてくださっていた……

 

 曜日の話をしています。最後土日挟んでおわらせたいなという計算のもとでした。

 

 そして掃除の話。心の整理について話すので、深読みしてくださる方とかオチ知ってる方はここで「あれ心の整理だったんだな…」と思ってくれたら嬉しいなという仕込みでした。2回目読むと気づきがある、そういう楽しみのあるものが私は好きだぜ。

 

 四季の「むしろ良かったって言うか、なんていうか」は口が滑った後に取り繕うとしているあれです。好きが出てしまった。

 

 一日目は、きっと手探りだろうなと思ったのであまり大きなことをさせませんでした。何なら夜が本番です。夜の曲づくりは、本の構想の中で軸の一つにしたいなと思っていたところだったので……。

 

 結局、旬と四季が2人で何かをするって言ったら、『音楽』何だと思います。それ以外にあまりにも共通なものが無くて、でもそれが確固たるもので、そこが旬四季の好きなところです。死んだ後にできる未練って……良くない?!【音楽という共通点が2人の最高最大の幸せなんだなと思いました】という感想を頂き抱きしめました。ド解釈一致だが。

 

 「驚きました」って言ってたけど、これは四季が思っているよりも盛大に驚いています(おまけに書いてある)だからこそわざわざ本人に言った……という。

 

 猫カフェのくだり、もう直接的に言ってないだけで好きって言ってますが。これは旬四季なので良い。からの幽霊に現物プレゼント。旬的には恋人になってから初めてのプレゼントなので、「プレゼントをあげたかった」という気持ちがあってあげたりなどしています。

 

 事務所行く日。事務所は外せないなと思っていたのですが、どのタイミングで行くかめちゃくちゃ迷いました。最初からは行かないだろうけど、後にしすぎることもないなと思って真ん中にしました。

 

 涙の件は『四季から離れた物質は見えるようになる』という法則のもと、おそらく誰でも見えたものです。でも、これが四季の涙だってわかったのは旬だけ。そんな水滴。

 

 そりゃ本人も辛いだろうけど、連れてきた人も辛いよな~という話です。「ずっと付き合う」って言うのは、好きな人だからなんですけど、それを隠そうと返答して、そうだよな~ってなる四季です。すれちがい楽し~!!!【ここの緩急、感情の動きが好き】という感想を頂きました。見返してみたら、すごい緩急ついてましたね!!自分でもあとからびっくりした。これ多分癖でやった緩急なので、文自体好きって言ってもらえてるって感じがすごくてHappy……になりました。

 

 採点不可案件。歌わなかったら0点になると思って調べたら、0点って存在しなくて、歌わないと採点不可になるらしいです、カラオケ。これは本人たちは「機械に読みとられない」の法則発動だと思っていたのですが、実は「メッセージが発信できない」条件が発動している故でした。四季にとって、歌はそれを通して自分の想いなどを伝えるものだから。

 

 100点の話。最後の旬のリクエストは「おそらく最後である"四季がアイドルとして歌う姿"を見たい」という気持ちからでした。旬の100点発言は、本人は100点取れなかったから代わりに、くらいの軽い気持ちでしていると思うので、泣かれてびっくりしてます。嬉しい涙だから別のところから出てるのかもって表現は我ながら好き。

 

 猫のストラップが、最終的なトリガーになります。2人の、この一週間の思い出をトリガーにしたかったのでこうなりました。ぶっちゃけるとこのためにあそこでプレゼントをさせました。

 

 ちなみに隼人、夏来、春名は「旬が最後に四季に会った」ということしか知らない想定でした。四季が死んでしまったから、その瞬間から四季と旬が恋人になったことは旬しか知らなくて、旬も誰にも言うつもりもなかった……という。

 

 告白したとき……四季が死んだ日も旬は「好きです」と告白していると思っています。全く同じ言葉で告白している感じ。旬はあの日をやりなおすようなつもりで。ここ、【アニメの逆構図ぽい】という感想を頂いてほんとだ!?ってなりました。すごい。そう言われればそうじゃん。【旬四季のすきなところとか、旬四季で見たい景色とか世界観みたいなものを感じた】って感想を頂いて、いやなにそれエモ!!!ってなりました(お前がなるんかい)。でも、言われてみたら私の描きたい旬四季の空気感がここに全部出てます。感じてくれてありがとう。

 

 旬がちょこちょこ「もし成仏しなくてもずっと付き合う」みたいなことを言っていたのは、ずっと一緒に居たいって気持ちを少し出してしまっていた……というものでした。【告白した数時間後に恋人が死んで日記(おまけ)でも実感がないって言ってた人が最後恋人としてお別れができて良かったねと思った】という感想……この感想で泣いた(?)ほんとだね。良かったね……

 

 ここで『未練』になったのは四季が自分の未練を理解したからです。きちんと理解したのを表現したくて漢字にしました。この先はずっと漢字になります。

 

 未練を言った後のちょっとのやりとりは、ボーナスタイムくらいのつもりで書いていました。こう、薄くなってちょっと喋るみたいな……完全に消える前みたいな……あるじゃんそういうの……(?)でも、ここで【最後キスで成仏したのは、本当の未練はここだったんだと思いました】的な感想を頂いてうわなにそれ好きとなったのでそういうことにしてください。幸せになってほしいとか、もちろん未練だったんだけど。最後の最後、まだ未練として残っていた、最初で最後の、恋人らしいこと。

 

 最後、旬側でしめました。歌をみんなで歌おうって提案して、未来の話をして終わりたかった。実は装丁でもやっています。遊び紙、最初はピンク、あとがブルーになっているんですが、これは最初四季視点で、最後は旬視点で終わるからでした。

 

 おまけの話をします。

 日記を!つけました!四季が現れてからの文章量がすごく増えていて、実は自分で意図したことじゃなくて自分で書いてみたらそうなっただけで……自分でびっくりしました。【ギミックが面白い】【発想がすごい】みたいな感想から【ゆるさん】みたいな殺意高めの反応もいただけて嬉しかったです。呼んでくれた人みんなボコボコにするつもりで作りました(正直)。

 

 日記をつけようっていうのは本を作ろうと決めたところから考えていたことでした。

 

 四季が成仏する日が12月21日なのですが、この日は『遠距離恋愛の日』でした。これは計算しました。しばらくは、きっと遠距離恋愛だから。

 

 成仏の日を決めて逆算したんですけど、これ計算してる時のメモはなかなかに他の人が見たらそういう計画を練っていると誤解されそうなメモでした。

 

 全体を通しての感想もいくつかいただきました。旬がふわっと笑うところとか、【四季を通して表現される旬が好きなんだなって伝わってきて好き】とか【曲を聴いたような、幸せとありがとうが伝わってきた】とか……めちゃくちゃ嬉しかったです。感想をくれた方にとっては、私が作りたかった”温かいものが残るような話”にきちんとできたんだなと思いました。【終わり(死)から始まり(未練探し)未来(新曲)につながる話だと思いました】とかすごい綺麗な感想もいただきました。文章にする天才か……?

 

 頂いてすごくなるほどと思ったのですが、【今回は『日記』がある種のキーで、以前だした「ここだけのはなし」という本も『交換ノート』がキーになっている】って感想をいただいて、ほんとだ!!!!!となりました。意図してやったことではないのですが、やっぱり同じ人が作った話というか……多分、どこかでつながっていたんだろうな……って思いました。それこそ、違う世界点の話だったんだと思います。これ、絶対作者の自分じゃ気づけなかったのでいただけてとても嬉しかったです!目の付けどころがもう……私の作品めちゃくちゃ好きでいてくれる方の目の付けどころじゃん。ありがとうございます。

 

 改めて、感想くれた方ありがとうございました!!!


  表紙デザインを友人がやってくれました!

 自分でやろうとしていたものがあんまりイメージに合わずうーん……としていた時にその話をしたら話の流れでやってくれました。柔らかいあったかいものをつくる天才の友人だったので、とてもイメージに合ってありがたかったです……ありがてえ……

 

 以上、世界点でした。お付き合いありがとうございました。また小説出したいな!